音楽忘備録

音楽を聴くことしか趣味が無い人の忘備録。大体その日聴いた音楽の感想書きます。

Radiohead - 『Hail To The Thief』(2003) 感想

 

 

 

 

21世紀最重要ロックバンドの座に君臨し続ける、レディオヘッドの6枚目のアルバム。

 

レディオヘッドの圧巻のディスコグラフィーの中では、割と目立たない印象を受ける本作だが、14曲収録と、ボリュームという点では他のアルバムよりも抜けている。

 

位置づけとしては、ギターロックへの回帰というか、前3作で培った、従来のロックとは全く違った音楽であるエレクトロニカトリップホップ、現代音楽といったロックの文脈から離れたものを主体としつつ、それをロック・ミュージックというフォーマットの中で機能させたところから、『The Bends』期のようなトリプル・ギターという武器をレディオヘッドの新たな音楽性の中で発揮させようとした作品と位置付けられる。

 

話はそれるが、ここまでのレディオヘッドの歴史を見てみると、NME誌に21世紀のビートルズといわれたのは納得だ。ビートルズの表面的なポップ、ロックスターという側面がオアシスだったとすると、レディオヘッドはさしずめ、後期ビートルズのクリエイティビティを現代で体現しているバンドと言える。逆に、両方を兼ね備えたビートルズってどれだけ評価しても、評価し尽せない存在だということに驚かされるが。

 

本作は、ギターロックに回帰する方向性を示したものの、ボリュームの多さから、「良いんだけど散漫な印象を受ける」などの評価が多い。

 

しかし、ギターロック好きな自分としては『Kid A』よりは聴きやすく、楽曲の細部まで作りこまれた音作りはさすがレディオヘッドと言わざるを得ないほどの出来だ。

 

アルバムとしては少しまとまりがないところはあるものの、ベックのような『A Wolf At The Door』など面白い曲もあり、次作の『In Rainbows』につながる習作という見方もできるだろう。

 

ベストトラック:『There There』、『2+2=5』、『Where I End And You Begin』

 

9.2点 /10

 


2 + 2 = 5 + A Wolf at the Door